「将来の相続に備えて準備したいけれど、何から手をつけてよいかわからない」
といったご相談を受けるケースがよくあります。
何の準備もせずに亡くなってしまうと、相続人たちが遺産分割協議を行う際にトラブルが生じるリスクが高くなってしまいます。できる限り、生前に対策をしておきましょう。
この記事では有効な相続対策方法を弁護士がご紹介します。
1.遺言書の作成
相続対策のためには遺言書の作成が必須といえます。
遺言書で遺産分割方法を指定しておけば、相続人たちが話し合って遺産分割の方法を決める必要がありません。意見が合わずにトラブルになるリスクをなくせます。
ただし遺言書により『遺留分』を侵害すると、遺留分権利者が侵害者へ「遺留分侵害額請求」を行い、かえってトラブルのもとになってしまう可能性があります。
また遺言書が無効になっては意味がありません。
相続対策で有効な遺言書を作成するには、弁護士へ相談されるようおすすめします。
2.生前贈与
相続対策として生前贈与も有効です。特に相続税を節税したいなら、贈与税の控除制度を使って生前贈与をしておきましょう。
たとえば以下のような贈与税控除制度があります。
- 20年以上連れ添った配偶者への居住用不動産や取得費用の贈与
- 子どもや孫への教育資金の一括贈与
- 子どもや孫への結婚子育て資金一括贈与
- 相続時精算課税制度
- 暦年贈与(ただし近年中に廃止される予定)
ただし「死亡前3年以内の贈与分は遺産とみなし、相続税がかかる」というルールがあります。また贈与の際には必ず贈与契約書を作成すべきです。
生前贈与の方法で迷ったら、お気軽にご相談ください。
3.家族信託(民事信託)の活用
相続対策方法としては、家族信託(民事信託)も有効です。
家族信託とは、信頼できる家族へ財産を預けて管理や処分をしてもらう信託契約です。
たとえば以下のような活用方法があります。
- 障害のあるお子様のおられるご家庭において、健常なお子様にまとまった預金や不動産を預けて障害のあるお子様の生活費や居所を管理してもらう
- まずは遺された配偶者のために財産を管理してもらい、配偶者の亡き後は長男が財産を引き継ぐ
- 親が認知症になった後も子どもに株式や不動産の運用を行ってもらい、死後は子どもに財産を帰属させる
4.制度をうまく組み合わせて効果的な相続対策を
遺言書や生前贈与、家族信託などの手法では、それぞれ実現できる内容が異なります。
より効果的に相続対策を行うため、を効果的に組み合わせましょう。
ご自身だけでは判断がつきにくい場合には、お気軽に弁護士までご相談ください。
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